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におけるUoFと名称は同一であるが、対象をデータだけでなく操作にまで拡張してある点が異なる。
BB間はあまり関連が密接にならないようにBBを分けているが、互いに全く無関係という訳ではなく、影響し合っている部分もある。そのようなBB間の関係を明確にし不整合を調整するために、他のBBとどのような関係や情報のやり取りがあるかを「BB間運用シナリオ」という独自のフォームを使って整理した。その結果の例を図3.3−5に示す。
オントロジ検討の最終アウトプットであり、同時にフレームライブラリ実装の基盤となるFLの仕様を、OMT法のクラス図で表現したものの例を図3.3−6に、クラス仕様書およびメソッド仕様書の例を図3.3−7に示す。このメソッド仕様書には、どのような情報を入力としてどのような処理を行い、どのような結果が得られなければならないかといったことは記述されているものの、その処理に要求される処理速度までは言及していない。そこで「処理スピードチェック項目」と名付けたフォームを用いて、スピードの点でボトルネックになると思われる処理をピックアップした。その表にそれぞれの処理が業務の観点から見てとの程度の時間で終了しなければならないかを処理の重要度と共に記入することによって、FL実装時の処理速度面での要求仕様を明確にした。そのスピードチェック項目の表の例を図3.3−8に示す。
(2)オントロジのクラスライブラリ化
このようにして構築したオントロジは、人間には理解できるが、コンピュータには理解できない紙に書かれた仕様書の形態をしている。そこで、このようにして構築したオントロジをコンピュータが理解して実行できるクラスライブラリの形にプログラミングした。これが2番目のフェーズのクラスライブラリ化である。このフェーズでは、3.2節で述べたGPMEの各種の開発支援ツールを利用することによって、開発効率を上げると共に、それらの支援ツールのテストをも同時に行った。
3.3.2FLの概要
前述ように、組立産業で汎用的に使える部分、つまりコモンオントロジの部分のFLをCFLと呼び、業種特有の部分のオントロジに対応するFLをEFLと呼ぶ。更に、造船専用の部分に対応するFLを造船用EFL、略してEFL/S(Extended Frame Library for Shipbuilding)と呼ぶ。
FLの開発においては、手順で示したように対象範囲をBBに分けて検討を行っており、具体的には次の6つのBBに分けてオントロジの検討およびFLの構築を行った。

 

 

 

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